矯正歯科 東京の問題の修正
持値というのはポジションの平均価格のことを言います。
各自のポジションと持値は表のとおりです。
このようなポジションと持値を記載したシートをポジションシートと言います。
トレーダーにはなくてはならない重要なシートです。
その昔はトレーディングルームに入ると最初の仕事が、このポジションシートをつくることでした。
トレーダーの横に座って、彼らがやった取引を追いかけながらつくるのですが、トレーダーの機嫌が悪い時は、それはもう大変でした。
いまではだいぶトレーディングルーム内の民主主義化が進んだと聞いていますので、トレーダーが理不尽にアシスタントに接するような光景は見られないかもしれませんが。
それはさておき、トレーダーは自らのポジションと収益を常に把握するために、このシートをみながら取引を行います。
オプションやスワップなどの複雑な取引を行う場合は、このような単純なシートではリスクを測ることはできませんので、さらに高度なポジシヨンシートで収支状況を確認しています。
このシートを見ると、R氏は四○の収益を確定させています。
S氏は三株の売り持ち、M氏は三株の買い持ちになっており、三人全部のポジションを合計するとゼロになります。
ここで重要なのは、S氏とM氏の持値と心理状態です。
最後の市場取引は一七○円でした。
ということはS氏にとっても、M氏にとっても、お互いに利益が確保されている状態ではありません。
何かのきっかけで相場が反転してしまえば、今度はM氏が不利になってしまう状況です。
しかし、そんな状態にもかかわらず二人の心理状態を比べると、明らかにM氏に余裕があります。
この差が重要なのです。
さて、取引に戻りましょう。
S氏はたまらずに一九○円のオファーをたたきにきました。
市場気配値は次のように変わります。
こうなると状況はますますM氏に有利になってきます。
彼らの心をもう一度覗いてみましょう。
S氏函時間が無い!一刻も早く損切りをしなければ。
評価益が出る水準(買い持二株持値二七○円)。
さて、無常にも時間がどんどんと過ぎて、市場終了間近になってきました。
いよいよ損切りをしなければならない時間になりました。
S氏はやむを得ず二○○円のオファーをたたきます。
市場気配値と二人の心理状態は以下のようなイメージです。
オファーがあるうちにポジションを閉じなければならない。
落ち着いて様子を見よう。
市場終了五秒前、S氏は泣く泣く一二○円のオファーをたたき、ポジションをスクェアに。
さてさて、反省会の始まりです。
反省会と言えばたいへん厳かな感じがしますが、そこはトレーダーの世界、あるときはただの自慢話だったり、説教だったり、お通夜みたいになったり……。
それは、それは、あまり世間に見せられないものがあります(なかには真面目にやっている金融機関もありますが……)。
まず、ポジションシートを確認してみましょう。
三人はそれぞれの会社の反省会で、その日のトレーディングを振り返り評価をすることになっています。
それぞれのレポートは次ページ以下に掲げるとおりでした。
三者三様のレポートができました。
レポートの記述はよく見る内容で、見慣れている人からはごく自然と言えます。
ただし、相場の内幕を知ってしまった賢明な読者の皆さんには、不自然に思える箇所がありませんか。
少なくとも二箇所指摘できると思います。
ひとつはS氏のレポートにある内容です。
それには、「丸儲産業への財務分析に誤りがあった。
今後はさらに精度を高めて正確な情報を入手する。
」と書いてあります。
S氏の評価によれば、損を出してしまったのは自分の財務分析が甘かったこととしています。
本当でしょうか。
確かに丸儲産業の業績について誰よりも早く減益に気づくことができました。
これにて市場取引は終了。
お疲れ様でした。
積極的なトレーディングで本日も利益確定。
今後も流れに乗ったトレーディングを志向する。
丸儲産業への財務分析に誤りがあった。今後はさらに精度を高めて正確な情報を入手する。
M氏のレポート損失を被ることはなかったでしょう。
ただし、そんなことが果たしてできるでしょうか。
情報収集能力を高めることはトレーディングをするうえで必須のことではありますが、それでも限界はあります。
誰よりも早く減益の情報を入手することなど、それこそインサイダー情報でもなければ不可能です。
S氏が負けたのは、誰よりも遅く市場に参加してしまったことです。
決して情報収集能力が劣っていたからとか、財務分析が甘かったためではありません。
もうひとつ気になるのが、M氏のレポートです。
本日もっとも儲けたトレーダーですが、評価内容は失格です。
彼のレポートは「相場観的中!今後も丸儲産業の株は上昇し続ける。
」となっています。
彼が指摘したように、果たして市場は丸儲産業の業績。
以上をまとめますと、相場はポジションを持ち越せないなどの制限に大きく影響されている。
な力を生み出しているのです。
この力学を知らずに勝手な思い込みでトレーディングをしていると、必ず大きな損失を被ることになります。
おそらくM氏は、本当に丸儲産業の株を買い続けるでしょう。
相場が全く別な理由で動いていることに気づかずに。
また、頑固一徹な性格ゆえに方向転換にも時間がかかるでしょうから、損失は増え続けるでしょう。
私には、M氏はたいへん危険なトレーダーに見えます。
価して株を買ったのでしょうか。
そうではありません。
むしろ売り先行だったはずです。
それが、たまたまタイミングが悪い参加者がいて、かつそのトレーダーがポジションを翌日に持ち越せないという制限を課せられていたために、強制的に損切りをしなければならなかったからでした。
この点にM氏は気づいてはいません。
この思い違いが「怖い」のです。
このシミュレーションを見てもうお気づきとは思いますが、市場を動かす原動力としては、たとえば、ポジションをスクェアにしなければならないといったような制限が、大きい。
前項では、参加者の持つトレーディング上の制限が、市場動向に大きな影響を与えることを説明しました。
そのひとつの制約に、翌日までポジションを持ち越せないルールがありました。
つまり保有期間の制限です。
実際のトレーディング現場では、シニアトレーダーになればほとんど日を超えてポジションを保有し続けることができます。
こうしたルールをオーバーナイトルールと言って、これも内部規定として厳格に決められています。
通常は日中のポジションよりもオーバーナイトのポジション枠のほうが、若干少な目になることが多いようですが、全く関係ないトレーダーもいます。
マネジャークラスになると一か月どころか一年間も同じポジションを保有し続けることもあります。
特に金利系のトレーディングでは、相場の動きがゆっくりしているため、保有期間がおのずと長くなります。
この力学を知らないで、勝手な思い込みは次の損失を生む。
ということになります。
では、どんな制限が市場を動かす原因になっているのでしょうか。
市場を混乱させるものこの保有期間の制限は、相場に大きな影響力を持っています。
それを前述のシミュレーションを使って見てみましょう。
前述のケースで、仮にM氏が長期ポジションを保有できたらどうだったでしょうか。
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